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オンラインショップの制作と運営を通して学んだこと。Webサイトは「生もの」である!

オンラインショップの制作と運営を通して学んだこと。Webサイトは「生もの」である!

UPDATE2015.12.26

本記事の結論は、タイトル通りです。Webデザインを勉強して、オンラインショップ制作・運営には、携わりたくないの一点張りでした。
しかし、紆余曲折あり、オンラインショップ運営に携わったことで、オンラインショップに対する考え方が変化しました。

どんなに小さなWebサイトでも、大規模な商品展開をするECサイトの本質は変わらなかったのです。Webデザイナーとして、ECサイト運営における仕事の種類と学んだことを紹介いたします。

オンラインショップの制作

制作手順は、どんなWebサイトを作ろうとも同じでした。オンラインショップは明確に打ち出したいものが最初からはっきりしています。商品を売ることです。モノとして存在しているので、それをいかに魅力的に発信できるか。
よくよく考えてみると、かなり単純です。しかし、一つ一つ掘り下げると深いものでもあります。

ページ構成の基本は、トップページ、商品一覧ベージ、商品詳細ページ、カートページ、お支払いページ。このほかに、お問い合わせページやヘルプページもありますが、基本的に構成されるページは、そこまで多くはありません。
商品数が多ければ、その分商品詳細ページが増えていきますが、ページデザインはテンプレートなので、写真と情報が変更されるだけです。

当初、私はこういったことを知らずにページ数が多いという印象だけで、オンラインショップ制作が嫌でした。

しかし、サイト制作に携わって、オンラインショップは「商品を売る」というこれほど明確な目標に向かえばいいという考えに変わると、やる気も湧いてきました。
どういう写真を、どのくらいの大きさでどこに配置し、どう言った文章だと魅力を感じてもらえるか。そういったことを考えることが楽しくなりました。

オンラインショップ運営は、やることが多い

役割分担や外注することができれば負担は軽くなりますが、物が売れないと叫ばれる昨今です。経費を抑えたい多くの方々は自分たちで、PCスキルを持った人が、自分のようなWebデザイナーが運営することになります。

受注処理、商品発送、商品撮影、商品紹介文の作成、商品のサイズ情報、宣伝(SNS、ブログ、メルマガ、広告管理)、特集企画、お問い合わせ対応、売り上げの分析、アクセス解析……。

これにサーバーシステムも自分たちで管理していると、Webデザイナーって何だろうと思うこともあります。
どれも経験することで、今後のサイト運営に取り入れることが増え、次の案件に活用することができます。

特に私が武器になるなと思ったのは、商品撮影とその写真加工スキルです。もちろん、紹介文が上手く書けたり、ブログができても良いです。商品撮影もただ撮るだけなら、デジカメやスマホがある時代なので誰でも撮ることができます。しかし、それを魅力的に撮るにはスキルが必要です。

そして、もう一段階よく見せるには、Photoshopを代表とするソフトウェアでの画像補正スキルが必要です。背景のない画像が必要になる時もあるので、商品をキレイに切り抜くスキルも必要となります。
しかし、こういったスキルは、Webサイト制作上写真を扱う場合に役立つので、決して無駄にはなりません。

商品画像を上手く作ることができたことで、別のオンラインショップ制作の仕事につながった経験もあります。

運営時の情報整理が大事

オンラインショップを運営していると、様々な情報やデータを管理しなければなりません。商品ひとつとっても、写真データから編集ファイル、書き出された画像ファイルですでに三つ存在することになります。使用媒体に応じて、ファイル形式・画像サイズがバラバラで、たとえ商品ひとつでも多くの画像ファイルが存在することになります。

それらを混乱なく管理するには、フォルダの階層構造やファイル名にルールを設ける必要があります。最初にこれをやっておかないと、すぐにファイルの数が増え、整理が大変になり、見つけ出すのも一苦労です。

例えば、商品写真であれば、ユニークな商品品番がつけられていると思うので、それで統一管理してみたりします。

商品情報(紹介文・サイズ・重さ・素材)は、オンラインで共有していました。紹介文は別の方に作成をお願いすることもあり、ファイルでのやり取りは煩雑になるので、Googleスプレッドシートに雛形を作り、いつ新商品ができても、紹介文を入力できる状態にしていました。
そうすることで、スタッフ間で自由に確認できるようになります。また、メルマガやブログ記事も原稿の下書きをオンラインで共有し、どこにいても確認がとれるようにし業務効率を上げていました。

オンラインでの共有は、当初なかなか受け入れてもらえませんでした。しかし、利便性を理解してもらえると情報のやり取りが格段と上がります。オンラインストレージに様々な画像を置いておくことで、各スタッフが自由に使うことができるようになり、たびたびメールに添付して送ることもなくなりました。

このようにどうしてデータ整理にこだわるのかといえば、お仕事させていただいた先で、情報整理環境が整っていないことが多かったからです。一生携わることができるのであれば、自分で全てを管理しておけば問題ないかもしれませんが、そうはいかない時もあります。

預かっていたデータを引き継ぐことになます。その際に、あのデータはどこにあるのかなど聞かれます。普段からルールに基づいて整理しておくことで、そういった煩わしさも解消されるはずです。

Webサイト運営は、「生もの」である

オンラインショップの運営を経験して、Webサイト(ブログやSNSも含め)は「生もの」であると、つくづく実感させられました。

「生もの」:これは、私なりの表現です。

オンラインショップでは、新商品を定期的にアップしたり、SNSやブログでどんどん情報を更新してユーザーの興味・反応を与えていきます。そうすることで、新規顧客・リピーターが少しずつ増加していきます。しかし、それを怠ればもうお店を辞めてしまったのかと、興味は薄れてしまい、ユーザーは離れて行ってしまうのです。

Webは常に更新やメンテナンス、新しい情報の発信をしていかないと、すぐに廃れた感じになってしまいます。更新が止まれば、ユーザーは別の新しい情報を求め、いなくなってしまうのです。

Webは手間暇をかけて、常に新鮮な状態にしておくことが必要であると、オンラインショップを運営して、実感しました。

この記事を書いた人
水島一輝
水島一輝
昼はWebデザイナー・夜は作家
SF(スモールファンタジー物語)を書くことが使命
一文物語作家

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