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分業化・細分化されたWEBデザイナーの職種を6つのカテゴリにまとめてみた

分業化・細分化されたWEBデザイナーの職種を6つのカテゴリにまとめてみた

UPDATE2015.11.04

“WEBデザイナー”とは、どんな仕事をしていると思いますか?
今では一口にWEBデザイナーと言っても、その仕事の中身は細分化され、分業化されています。
例えば、htmlコーダー、マークアップエンジニア、WEBディレクター、WEBエンジニアなどなど・・・。

ここではざっくりと、現状(私の認識での現場レベルでの)WEBデザイナー内の職種を紹介していきます。

WEBデザイナーと関わり合いのある職種は多い

WEBデザイナーと言うと「単純にWEBサイトを作っている人!」となりますが、その中身は今やかなり細分化・そして分業化されています。
少し“WEBデザイナー”と言う言葉からは外れるかもしれませんが、WEBデザイナーと業務上関わり合いのある職種を以下に列挙してみました。

  • WEBプロデューサー
  • アートディレクター/WEBディレクター
  • WEBデザイナー
  • UI/UXデザイナー
  • フロントエンドエンジニア/マークアップエンジニア/htmlコーダー
  • システムエンジニア/WEBエンジニア/WEBプログラマー
  • ネットワークエンジニア/インフラエンジニア
  • WEBコンサルタント
  • Webアナリスト/データアナリスト
  • フラッシャー(Flasher)
  • WEBライター

いきなり色々と横文字が出てきましたが、私個人の経験から、更に上記を大まかにカテゴリー分けするするとこんな感じになります。

1.ディレクション系 WEBプロデューサー
アートディレクター/WEBディレクター
2.デザイナー系 WEBデザイナー
UI/UXデザイナー
3.コーディング系 フロントエンドエンジニア/マークアップエンジニア/htmlコーダー
4.プログラム系 システムエンジニア/WEBエンジニア/WEBプログラマー
ネットワークエンジニア/インフラエンジニア
5.運用系 WEBコンサルタント
Webアナリスト/データアナリスト
6.技術特化系 フラッシャー(Flasher)
WEBライター

更に上記からは省きましたが、通販(EC)サイト管理者系、WEB動画系、スマホアプリ開発者などなど・・・。
WEBデザイナーと業務上関わる職種は多岐にわたります。

また、WEBデザイナーと上記の職種を兼任している(よくある例では、WEBディレクター+WEBデザイナー+htmlコーダーなど)場合もありますので、それぞれの垣根は案外低かったりもします。
欲を言えば上記の職種内の技術等については一通り理解している方が業務上強みがあります。

ちなみに当然の事ですが、会社や業界によって上記の職種の名称は微妙に異なりますし、所属した企業によっては意味合いも異なっている場合もあります。

以下に、それぞれざっと各職種の紹介をしていきます。

1.ディレクション系

読んで字のごとく、ディレクションをする職種です。

ディレクションの言葉の意味も、各業界によって多少異なっているようですが、WEB業界や広告業界では、下記の業務を担当しているケースが多いです。

  • 案件全体の進捗管理・予算管理
  • WEBデザイナー/コーダー/プログラマー等を集めてプロジェクトを推進する
  • クライアントと現場の橋渡し役

制作会社を例にして分かりやすく言えば、会社内の管理職と言っても良いかもしれませんね。

WEBプロデューサー

上述の進捗・予算管理・現場管理以外に、クライアント共に新規のビジネスを企画し、プロジェクトを成功へと導く職種です。
広告・マーケティングにも精通している印象があります。

必要なスキルとしては、広く浅くでも広範囲なWEB業界についての知識、広告・マーケティングなどの予算についての知識、そしてクライアントと交渉をするためのヒアリング能力、コミュニケーション能力が必要です。

必ずしもWEBデザイナーやコーダーのスキルは必要ありませんが、リーダーシップを発揮し、予算・進捗管理をするというシビアな職種です。
勿論、お給料も高め。

アートディレクター/WEBディレクター

アートディレクター/WEBディレクターとは、案件全体の進捗管理・予算管理能力、各技術者(WEBデザイナー/コーダー/プログラマー)を統率する能力、そしてクライアントに提案できる能力などが必要となります。

また、アートディレクターは全体的なデザインのトーン&マナーを守りつつ、クライアントの期待に応えるようにデザインのクオリティを維持することが重要となってきます。
よりデザイン部門に特化したディレクターと言った方が分かりやすいですね。

WEBデザイナーからステップアップしようとする方は、パソコンの前でデザインだけをしているだけでなく、各部門・クライアントとのコミュニケーション能力が必須となってきます。

会社によっては、プロデューサーとディレクターは肩書きの差異のみで、境目はあまりないケースもあります。

2.デザイナー系

皆さんが日頃から見ているホームページをデザインする人ですね。

紙や印刷物のデザイナーとはまた異なった視点から、世界のWEBデザインのトレンドを掴みつつ、クライアントの要望をデザインに落とし込む重要な職種です。
案件の規模によっては、上述のWEBディレクターなどのディレクションチームから手渡された企画書や設計図(ワイヤーフレームやアウトラインと言う言葉をよく使います)を元に、コーディング系の職種へ手渡すためにデザインを進めていきます。

WEBデザイナー

WEBデザイナーは、他業種の人から見てもイメージしやすい職種ですね。
ずばり、WEBサイト(ホームページ)をデザインする人です。

どうやってデザインをするのか?と言うと、PhotoshopやIllustrator等のアプリケーションソフトを使用して、デザインをしていきます。
これらのソフトの使い方は勿論のこと、デザインの引き出しを多く持っている、素早く納期を守ってデザインが出来る、クライアントの要望をデザインにまとめられる、と言った能力が必要となってきます。

ユーザーがホームページを訪れた際に一番に目にするのが「デザイン」であり、そのホームページの「顔」でもあるので、当たり前ですが見づらいデザイン・クライアントが望んでいないデザインを作ったとしても誰からも喜ばれず、ユーザーにとっても悪い影響となるので責任は重大です。

UI/UXデザイナー

UI/UXデザイナーはユーザーインターフェイス(UI)のデザイン、見せ方に特化したデザイナーです。
WEBデザイナーと使うソフトはほぼ一緒ですが、WEBサイトの中でも特にiPhone/Android等のスマホアプリにおいてナビゲーション部分のデザイン等にて求めれることが多い職種です。

iPhoneのUIデザインの使いやすさ、スマホを触っている際の動きの楽しさを表現しているのはこうしたUIデザインの設計がしっかりとしているからでもあります。

UIデザインの分かりやすさによって、そのスマホアプリの使い勝手や印象がユーザーにダイレクトに伝わり、当然売上にも影響が出てきます。
そのため、単純にWEBデザインをすれば良いというだけでなく、より繊細に誰が見ても理解しやすい形でデザインを提供することが重要となってきます。

3.コーディング系

コーディング系(コーダー)のメインの業務は、WEBデザイナーやデザイナーが作成したデザインデータを、最終的に一般ユーザーに閲覧可能なようにhtml,css,javascript等でコーディング作業を行う職種となります。

コーディングの技術は日進月歩でもあります。
今ではスマートフォン向けのレスポンシブで表示できるように作ったり、CMSツールであるWordPressのカスタマイズのためにphpの知識が必要だったりと、日々覚えなければらない業務の幅は広がっています。

htmlも大枠ではプログラムに属するため、正しい書式で書かなければ動きません。
細かい部分まで気がつく人、バグが出た際にも根気強く原因を追究できる人が向いていると思います。

フロントエンドエンジニア/マークアップエンジニア/htmlコーダー

コーダーを募集している企業の求人案件を見てみると、フロントエンドエンジニア/マークアップエンジニア/htmlコーダーと呼び方が異なっていますが、皆同じようにhtml,css,javascript等でコーディングをするため、大枠では同一とも言えます。

以前はデザイナーが兼業をしてhtmlによるコーディングを行うだけでも事足りていましたが、近年ではhtml,css,javascriptで出来る領域がどんどん拡がってきているため、デザイナーはデザインのみ!コーダーはコーディングのみ!と餅は餅屋で分業制を取るケースが非常に多いです。

フロントエンドエンジニア/マークアップエンジニア/htmlコーダーは、デザイン部分を正確にホームページとしてユーザーに画面を表示し、更にはエフェクト等の動きをつけ、そして後述するエンジニアが作るデータベースやサーバー(バックエンド側)と同期をするように作っていくと言う、デザイナー系とプログラム系の橋渡しをする重要な職種となっています。

4.プログラム系

プログラムと言う領域も非常に広いですが、WEBデザイナーと関係性がある職種としては、WEBプログラマー、WEBエンジニアが挙げられます。
よくSEと言う言葉がありますが、WEB系のプログラマーとは少し意味合いが異なります。

各言語についての解説は割愛しますが、php,perl,Ruby on Rails,Python,MySQLなどなど・・・の技術を駆使し、例えばユーザーが自由に動画をアップロード出来るYouTubeのようなサービスを作ったり、1000ページ近くあるWEBサイトを自動生成したり、お問い合わせフォームの仕組みを作ったり、と皆さんが日頃使っているWEBサービスの裏側を制作している職種です。

近年では、iPhone等のスマホアプリ制作が盛んと言うこともあり、どの企業であってもとても需要のある職種です。
当然のことながらコードを書く仕事であるため、各言語を自ら調べて習得し、なおかつ実際に動かすことができることは必須です。

システムエンジニア/WEBエンジニア/WEBプログラマー

WEB系のエンジニアは表記はあまり一定ではないようです。

システムエンジニアがWEBエンジニアを兼ねている場合もありますし、コードを書かずに設計だけをする場合もあります。
現時点では、php,perl,Ruby on Rails等がメジャーでしょうか?
コーダー系も兼務していて、javascriptやcssのコードも書くことが出来る人も多いです。

ただし、共通して言えるのはWEBサイト(ホームページ)上で使用する仕組みや言語についての知識や経験が他の職種より圧倒的に多く、またこれらの技術を使って賃金を稼ぐことが出来るレベルの職種です。
技術職・技術屋さんと言っても分かりやすいですね。

ネットワークエンジニア/インフラエンジニア

これらの職種は、上述のWEBエンジニアが作ったプログラムやデータ、デザイナーが作ったデザイン等をいかに処理して適切にWEBサイトに表示させるかに特化した職種ともいえます。

通信技術一般、サーバーについての知識、構築方法などに精通している必要があります。

アクセス数の多いWEBサイト、常時接続をするスマホゲームにおいては適切に画面に表示されることはビジネスを左右する重要な要素でもあるため、大企業やゲーム開発企業においては非常に重宝される職種でもあります。

WEBエンジニアによっては、サーバーは分かりません!と言うケースもあるため、適材適所でネットワーク技術に強いエンジニアを導入する現場も多いです。

5.運用系

WEBデザイナーやWEBエンジニア達が作り上げたWEBサイトから情報を読み取り、いかにクライアントに対して売上を上げられるのか改善提案をしていく職種として、運用系をまとめてみました。
当然ながら、この職種でもWEBサイト制作における一般知識がある事は前提条件でもあります。

WEBサイトは紙媒体のように一度世に出回ったら終了ではなく、世界中に公開をしてからアクセスの解析と検証、更に追加での更新や作りこみをしていくことが重要となってきます。
そのまま作ったWEBサイトを放置するよりも、適宜更新をしていくことで売上が数倍から数十倍まで伸びるケースもありますので。

業務例として言えば、アクセス解析を日々チェックし、SEO対策をしてGoogle検索結果からWEBサイトへ人の流入を増やしていく。
クライアントに改善提案をして一緒にコンテンツを検討して作り出す、等が挙げられます。

WEBコンサルタント

WEBコンサルタントの定義自体も非常に曖昧ですが、クライアントに対してコンサルティングを行い、WEBサイトの改善提案をしていくのが主だった業務となります。

勿論、言葉で幾ら「このデザインを変えましょう!」と伝えても人は動きません。
説得材料の根拠となるアクセス解析を日々分析をしてデータを蓄積し、更にはABテスト(例えばボタンの色を赤色と青色で検討)を行ったりしなながら、よりクライアント・ユーザー双方に利益のあるWEBサイトに作り変えていきます。

データの分析能力、柔軟な発想、プレゼン能力、そして数字で実績を挙げられる事が必要なってくる職種です。
例としては、通販サイト(ECサイト)の改善、予約システムを持つ宿泊施設のWEBサイト等など・・・。WEBの作り方・構成次第で売上が左右される現場で活躍しています。

Webアナリスト/データアナリスト

これらの職種は、よりデータ分析に特化しています。

更に多角的な見方でアクセスデータをありとあらゆる方向から検証を行います。
所謂、ビッグデータ関連などもこの職種に当てはまりそうです。

WEBコンサルティング会社内に、データ分析に特化したチームとして在籍をしたり、ビッグデータを拾ってアクセス全体の動きをまとめたりと、裏方でデータを取りまとめる職種です。

ここでの数字の”気付き”が、WEBサイト全体のリニューアル案になったり、それによって売上が大きく変動したりするので、データを読み取るアナリストの職種も今後更に需要は増えていくでしょう。

6.技術特化系

WEBデザイナーが兼務しているケースもありますが、技術特化系は各職種が独立している事が多いです。

基本的な考え方としてはWEBデザインやコーディング、プログラム以外に特化した技術を磨いている人達。
ある意味その技術だけで報酬を受け取れる職種とも言えそうです。

フラッシャー(Flasher)

Flashとは、Adobe(以前はMacromedia)のソフトウェアの名称です。

アニメーションをWEBサイトで表示することができ、容量も非常に小さかったため、一時期はWEBサイトの制作現場でも爆発的に広まりました。
その後、iPhoneのWEBブラウザでFlash技術が採用されなかった経緯もあり、近年では中小企業のホームページレベルではそこまで導入はされなくなってきました。

ですが、大規模なプロモーションを打つようなWEBサイトや動画サイト、例えば映画のプロモーションサイトや、YouTube、ニコニコ動画等、動画やインタラクティブなコンテンツをメインとなる現場では現役で使用されている技術ですので、このFlashを使いこなすことが出来れば案件には困らないくらいでしょう。

とは言え、初期の単純なアニメーションを表示させる位であればjQuery等のjavascriptでも代用出来るため、よりプログラマーに近いコードを書くActionScriptの知識が必須となってきています。

WEBライター

文章を書くのが仕事になるの?と思う方もいるかもしれませんが、近年のWEBメディア、バイラルメディア、キュレーションサイトの増加により、仕事が出来るライターへの需要は増加傾向にあります。

パッと見てインパクトのあるキャッチコピーを作れる人、SEO対策として狙ったキーワードの文章を作成しGoogle検索結果上位表示が出来る人、破綻なく文章が書ける人などが該当します。

クラウドワークスランサーズシュフティなど、今や外注先としてライティング業務を依頼する案件は多数あります。

当然、良い文章(アクセスが集まる文章)を掛けるライターには仕事依頼がひっきりなしに来ます。
フリーランスで活躍している方が多い職種とも言えそうですね。

この記事のまとめ

さて、6つのカテゴリとそれぞれの職種の紹介でしたが、いかがでしたでしょうか?

WEBデザイナーと兼務をする場面も多々ありますが、今後あなたが「WEBデザイナーになろう!」と決意をしても、これらの職種との関係はWEB業界と言う大きい枠組みの中では切っても切れない間柄ですし、一緒に仕事をする場面もあるでしょう。
WEBデザイナーからステップアップ、もしくは別職種からWEB業界へ転職をする場合でも、それぞれ密接に関わり合いがあることが見て取れます。

人によって適正も勿論ありますが、「自分にとって楽しい・向いている職種はどれだろう?」と常に考え、他の職種にも目を向けてみるのも良いかもしれませんね。

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