実際のWEBデザイナーの仕事ぶりを各工程ごとにまとめてお伝えしていきます。
今回は、一番初めのクライアントからの要望をヒアリングする際に使用する”ヒアリングシート“や確認すべき点をご紹介。
前回までのおさらい
前回の記事では、WEBサイト制作の現場においてどのように動いて最終的に皆さんが日頃見ているWEBサイトが出来上がっているか、各工程と流れをざっくりご紹介しました。
この8つのループを頭に入れつつ、一番初めのクライアントとのやり取りを早速見ていきましょう。
クライアントからの要望をヒアリング
自分一人でWEBサイトやWEBサービスを作る場合でも、何も用意せずに始める人は少ないと思います。
ある程度「こういうWEBデザインにしたい!」「こんな機能を盛り込もう!」と頭の中に設計図があるはずです。
クライアントとのお仕事の場合は、当然の事ながらクライアント側が作りたいWEBサイトがあります。
どういったWEBサイト・WEBサービスを作りたいのか細かく聞いていきましょう。
今回は例として、0から新規でWEBサイトを作りたいクライアントと、受注側としてWEB制作会社を想定してみました。
打ち合わせ時によく使用するヒアリングシートの例
- NDA(秘密保持契約)や業務委託契約書などを締結する必要があるか?
- WEBサイト全体のページ数は何ページか?
- 納期(公開予定日)はいつまでか?
- ロゴ・テキスト・写真データなど素材は用意してもらえるのか?
- ベンチマークしている競合サイトはあるか?
- デザインテイストの参考となるWEBサイト・雑誌・デザインはあるか?
- キーカラーとして使用したいカラーはあるか?
- どのような機能を実装したいのか?
- サーバー・ドメインは既に取得済みか?
- スマートフォン対応をするのか?
- SNS連動をするのか?
- クライアントのゴールは何処か?(目標数値など)
- 予算・見積もりは双方ともに問題ないか?
- 請求の締め日・支払サイトの確認はしたか?
- 公開後の修正は発生するのか?
- クライアント側・制作側の担当窓口は誰か?
- クライアント側で確認をする端末・ブラウザは何か?
- 納品形式はどのような形か?
特に上記の点をヒアリングして要件定義を発注側・受注側で明確にしておかないと後々トラブルとなる事もありますので注意して細部まで確認しましょう。
重要な点としてはこうしたヒアリングシートを通して確認した点を”クライアント側・受注側双方で共通の認識を持つ“ということです。
なぜなら、クライアント側では「○○のように出来上がるだろう」と期待をしていたのに、結果として受け手側では異なる認識をしていたら全く意味のない作業となってしまいますし、場合によってはその後の関係値にも影響を及ぼしてくるからです。
そして、無理難題の場合は理由も伝えて明確に出来る・出来ないを返答するのがベストでしょう。
双方共に納得をしないままWEB制作の案件がスタートすると案件途中でも判断に迷う場面も出てきますので、疑問点がある場合は一つずつクリアにしていきましょう。
ちなみに、これらのヒアリング内容から具体的に何名体制で制作に入るのか?や、各自の役割や窓口を決めたり割り振りをしたり、納期から逆算をしてスケジュールを立てたり、予算交渉をするのがWEBディレクターの主な仕事の一つとなります。
WEB業界における職種については下記の記事にまとめています。
分業化・細分化されたWEBデザイナーの職種を6つのカテゴリにまとめてみた
この記事のまとめ
上記のヒアリングシートについては、WEB制作の現場において過去の経験からざっくり書き出したものですので、当然案件やクライアント次第によっては確認する項目も異なってきます。
どちらかと言うとWEBディレクターの業務の一つかもしれませんが、打ち合わせの際にWEBデザイナーとして同席を求められるケースもありますので、”WEBデザインのプロ“と言う観点からも、疑問に思っていることなどは確認をしていきましょう。
社長や担当者によっても答えが異なっていたりもするので、最終的な決裁者と意識のズレを減らしてお互いの認識をすり合わせていくことが重要です。
実際のWEBサイト制作の流れと各工程
- 第1回:クライアントからの要望をヒアリング
- 第2回:契約書の締結
- 第3回:スケジュール・ガントチャートの作成
- サイトマップとワイヤーフレームの作成
- Photoshopでデザインをしていく
- Dreamweaverでhtmlコーディングをしていく
- サーバーに出来上がったデータを納品・アップロードする
- 請求書を送る